第24章 最終決戦
これは卍解しなくちゃいけなくなるかも.......
ピリピリと肌を伝う霊圧に、こいつは危ないと本能が警告している。もう一度構え直したその瞬間、下にいたはずのブレンダンが目の前に迫っていた。
まず.......っ
ブ「死ね」
爆発にも似た勢いで振りかざされた槍が迫り、とっさに刀に力を込めるも遅かった。勢いを受け止めきれず、そのまま地面に叩きつけられる。
蝶「ガハッ!!」
叩きつけられた全身が痛くて呼吸が出来ない。手がしびれて、上手く刀を握れない。口からは血が吹き出し、地面を染める。
蝶「あ.......っ」
隊長があんなに警戒している理由がよくわかった。
力をつけ、零に入った日から初めてだった。
死ぬかもしれない
そう、思ったのは。
一撃でこれだ。これが、隊長の言った「危険」ということなのだ。
怖いなんて感覚久しぶりだ。
蝶「く、そ.......っ」
冗談じゃない。こんなところで死んでたまるか。私はまだ死ねない。まだ隊長の下で働きたい。あの人のそばにいたい。
あの人と一緒に戦いたい。
蝶「.......っ!!」
勢いよく起き上がる。その時、上から気配がして、とっさに後ろへと避ける.......が、ありとあらゆる場所が痛くて思わず顔を顰めた。
さっきので左腕と恐らく肋骨が折れた。左手は痺れて刀が上手く握れない。呼吸をする度に骨に痛みが走る。呼吸するのすら苦しい。
そんな隙を見逃さず、次々と攻撃を仕掛けるクソ野郎。
ブ「死槍(モルス・ハスタ)」
上へと投げられた槍は数百の槍へと分裂し襲いかかる。
蝶「桜流霞(オウリュウカ)っ!!」
渦となった桜の花びらは次々と槍を消していく。次の攻撃への隙を与えず技を繰り出すが、当たらない。動く度に傷が痛んで激痛が走る。喉から上へと何かが迫り上がる。思わず手を口に当てた、
「堕聖者(ストゥルティ・マグス)」
その刹那、上から下から一面火の海になった。まるで熱した鉛を頭から被っているように痛くて苦しい。
「俺が司る欺瞞は沽聖者、司る大罪は怠惰。愚かな聖者よ、我が焔に包まれて死ぬがいい!堕落し朽ちて無と化せばいい!アハハハハハッッ!!!!」