第24章 最終決戦
ブ「なんだよ。やっぱり閉じ込めてたのか。どうりでその辺の雑魚と変わらない霊圧してたわけだ」
蝶「さっきからごちゃごちゃうるさいのよ。大してかっこよくないくせに、キメ顔で喋りやがって」
あ、言っちゃった。ま、いっか。本心だしね。
だけど、向こうは良くはなかったようだ。顔を真っ赤にして刀を鞘から抜き、私の方へと向けた。
ブ「てめぇ、ふざけんなよ!!俺様が大してかっこよくないだと?目ぇ腐ってんじゃねのか!?」
蝶「事実を言ったまでよ。そっちこそ脳みそと目玉腐ってんじゃないの?1回診てもらった方がいいわよ」
ブ「あぁ、そうかよ!もういい。てめぇだけはぶっ潰してやるっ!!」
「堕ちろ『堕聖馬(アシヌス)』!!」
声が響いた次の瞬間、あいつの周りに暴風が渦巻いた。真っ白な煙に覆われた視界はまるで何も見えず、自分がどこにいるのかすらもわからなくなる。
刀に手を当て、神経を張り巡らせる。気配を感じた瞬間、咄嗟に刀を抜き、後ろを振り返った。刀は鋭い音を立て、火花を散らす。
さっきより明らかに上がった霊圧に気を引き締める。
さっきみたいに少しでも油断してたら死ぬ.......っ
一歩右足を下げ、刀に当たるそれを押し返し叫んだ。
「咲き散れ『木花姫』」
手にしていた刀はその刹那、桜色と亜麻色の双剣に変化した。刀身は微かにぼんやりとしており、柄頭には桜の飾りがついている。
蝶「桜流し」
空高く飛んだ瞬間、間髪入れずに技を出す。上から下へと振り下げた刀から驟雨のような大量の水が降り、一瞬にして滞っていた煙を消す。開けた視界のおかげで、ようやくあのゴミの姿を確認することが出来た。
あれがあいつの帰刃.......
姿は半人半馬。持っていた斬魄刀は長い槍に変わっている。
隊長が言ってた。こいつらは黒霧弦真によって造られた破面。黒霧が反乱を起こした際に持ち出された天華玉で造られた可能性が高いと。
天華玉は物質創成に優れている。ありとあらゆるモノを造ることが出来るが、とても繊細で脆い。それゆえに造れる数は決まってくる。しかし破面を作る際には、天華玉自体に虚を取り込んで造るから、殺戮能力がとても高い破面が造れる。取り込んだ虚の数が多ければ多いほど化け物並みに強くなる。
だから、危険なのだと。
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