第24章 最終決戦
蝶「す、すみませんでした!!!」
『えっ!?何、いきなり!?どうしたの?』
蝶「まさか土御門家の方とは知らず、無礼な真似を!!お許しください!!」
『いや、今それ関係ないから!!とりあえずそれやめて!!』
私の肩を掴んで土下座をやめさせる女性に、おずおずとそれをやめた。
『土下座とかしなくていいから。別に不敬されたわけじゃないし、ここに連れてきたの私だし。そんなくだらないこと気にしなくていいから、名前は?』
蝶「五十嵐蝶羽、です」
『そう、よろしく蝶羽。私は璃咲でいいよ』
呼び捨ては無理だと言うと、「じゃあ好きに呼んで」と言うので璃咲さんと呼ぶことにした。璃咲さんは宏明の遺体を埋葬するために人を遣わせてくれた。
『率直に言うわ。蝶羽、あなた死神になりなさい』
蝶「え?」
突然言われたことに驚き固まった。
私が死神?才能もない、底辺の人間である私が?何を言ってるの?
からかわれているのかと、璃咲さんを見るが、その目は真剣そのものだった。
『あなたは気づいていなかったかもしれないけど、あなたの霊力は瀞霊廷にいる死神たちよりはるかに高い。このままいれば、また今日と同じような目に遭うわ。むしろ、これまで虚と遭遇してこなかったのが奇跡のよう。それほどの力を持ちながら、自分を守る術がなければ、あなたは格好の餌となり次こそ殺される。周りの者も自ずと巻き込んでいくことになる』
蝶「周りを、巻き込む.......」
じゃあ、もしかして宏明が死んだのは自分のせい?私がそばにいたから死んだ?
蝶「私が.......宏明を、殺した」
あぁ、相変わらずの疫病神だ。守りたいと望んだ唯一の人を自ら殺してしまった。結局、自分は周りを不幸にすることしかできないのか。
絶望感に苛まれたその時、
『違うわ』
力強い声が響いた。
『あなたの大切な人を殺したのは虚であって、あなたじゃない』
蝶「いえ、違う。私が殺したの。私がいなければ、宏明は生きてた。私が.......っ」
『じゃあ、あなたが自ら手にかけたの?』
蝶「なっ」
『違うでしょ?その子を殺したのは虚。それが事実』
勘違いするなと、さっきとはまるで別人のような威圧感のある雰囲気で冷たく言い放った璃咲さん。