第21章 拒絶
あぁ、私はまた、璃久を傷つけてしまったらしい。
『璃久、私はあの時、霊王を護れと命令した。璃久はそれを忠実に守った。だからこそ、霊王は殺されずに済んだんだ。こうなったのは決して璃久のせいじゃない。璃久は璃久の成すことをした。ただ、私に隙があっただけ。璃久は悪くない』
「だけど.......っ」
『非があるのなら、それは私の方。隊長としてみんなを守らなくちゃいけないのに、結局みんなに助けられた。こんなんで、零番隊の隊長だって名乗る資格はない』
何が隊長よ。こんな時に役にたたずして、どうして隊長といえる?守ってもらってばかりで、自分は何もしていない、無力な、ただのお飾りだ。
『ねぇ、璃久。覚えてる?昔、私が泣いている時に璃久が言った言葉』
「.......あぁ」
『璃久は昔から私を助けてくれたよ。璃久がいるから、私は今まで〝零〟を背負ってこれたの』
宗次郎さん達を失って、自暴自棄になっていた私を救い上げてくれたのは璃久。
私が危険な時に一番に助けてくれるのは、璃久。
いつも潰れそうな私を支えてくれるのは璃久。
『ありがとう、璃久。助けてくれて』
確かに私は弦真に犯された。斬魄刀で刺され、味わったことのない恐怖と絶望に苛まれた。