第21章 拒絶
「零や護廷だけでなく、親父も探している。そのうち見つかるさ」
『そうだね』
違う。
私が本当に聞きたいことは、そんなことじゃない。だけど、怖くて声が出ない。
だけど、聞きたい。
『春水.......は、どう.......してる?』
「京楽隊長は、」
璃久は一旦言葉を止め、目線を下げる。
「元気、とは言い難いな。空元気っていうか、見ててこっちが辛くなる」
『.......そう』
あの手紙も、そんな中書いたのだろうか。
いつも飄々としてる春水なだけに、心配になってくる。
「璃咲、ごめん」
突然、ぽつりと呟いた璃久。
その手は血が出るんじゃないかってほどきつく握りしめられていた。
謝る璃久に慌てて詰め寄る。
『璃久っ、手、血が出る!!開いて!!』
急いで開かせると、案の定、手のひらには血が滲んでいた。
『何やってるのよ、婆や呼んでくる』
「璃咲」
立ち上がろうとすると、今度は璃久が私の手を掴んで座らせた。
「ごめん.......守ってやれなくてっ。ほんとに.......っ、ごめん」
きつく私の手を握って、懺悔する璃久に咄嗟に抱きついた。
『そんなの、璃久のせいじゃない。私が警戒を怠ったから』
「いや.......っ。弦真がお前を狙っているのはわかったいたのにっ!!なのに、なんであの時、ついていかなかったんだ.......っ」