第21章 拒絶
乗り越えるためにはどうすればいいか。
ため息をつくと、障子の向こうに誰かが立っているのが見えた。
『誰?母様?』
「.......」
『婆や?』
「.......璃咲」
『.......っ、璃久?』
久しぶりに聞く、片割れの声。
「親父から許可もらったんだ。少し話すだけならって.......」
『そっか』
「怪我大丈夫か?」
『うん。烈ちゃんのおかげでもう、なんとも』
「そうか、良かった」
安堵したような、だけど、元気の無い声に思わず声をかけた。
『.......璃久、入って』
「いや.......っ、だけどお前.......」
『大丈夫だから』
このままじゃ、前に進むことなんてできない。一つずつでも向き合っていかないと。
少しして、ゆっくりと障子が開いた。
少し痩せた?
最後に見た時より、何だかほっそりした気がする。
『久しぶり』
「あぁ.......久しぶりだな」
『座って?』
近くを指さすと、戸惑いながらもそこに胡座をかく。
『.......っ、ふぅ.......』
「璃咲.......っ、顔色が悪い!やっぱり、俺外で.......っ」
『いいのっ、大丈夫だから!!』