第7章 罠と虐め
「あー、色々あってな。悪いけど、俺の部屋に救急箱を...」
婆「すぐに御堂先生を呼んで参ります!!」
『いや、そこまでは......って、行っちゃった…』
いつもはゆったりしているのに...どこからあんなスピードが出るんだか。不思議だ。
二人で顔を見合わせる。
「まぁ、とりあえず部屋に行くか」
『うん。あっ、私歩けるよ。下ろして』
「黙ってろ」
私の意見を一蹴りすると、璃久は自分の部屋へと向かう。
こういう時は何を言っても無駄だろうと経験上わかっているので、大人しくする。
『いつも思うけど、無駄に広いよね。この邸』
「だな」
五大名家の邸なのだから仕方がないとは思うが…
『部屋までたどり着くのに時間がかかる...』
「諦めろ」
『はぁー』
直線を歩き、曲がり、また直線を歩き、曲がりを繰り返し、ようやく璃久の部屋へと着いた。