第7章 罠と虐め
『璃久くーん、璃久ちゃーん、璃久の助、璃久太郎、璃っちゃん、璃久お兄ちゃん、璃...』
「うるせーよ!!」
『なんだ、ちゃんと聞こえてるじゃん!!』
「当たり前だろ」
『じゃあ、なんで無視したのよ!!』
聞こえてたら、ちゃんと返事をするべきじゃない?
けしからん!!
「ほっとけ」
『ほっとけって...あんたね』
ほっとけって言われて、気にならないやつはいないんだからね!!
そんなことをしているうちに、邸へと着いた。
「お嬢様、坊ちゃん、おかえりなさい...っお嬢様!?そのお怪我はどうなさったのですか!?」
中に入ると、お目付け役の婆やがゆったりと歩いてきたが、私を見た瞬間、ものすごいスピードで走ってきた。
『ただいまー、婆や』
婆「呑気に挨拶なさっている場合ですか!!坊ちゃん、これは一体...」