第20章 崩壊【R18】
伊「土御門邸にも専属の医者がいるが、なんせ男ばかりなんでな。そこの隊長さんの腕は確かみたいだし。断るなんて言わねぇよな?」
功「ヒソ)脅迫じゃねぇか、これ?」
顔を真っ青にして言う功雅に内心苦笑する。
確かにもうお願いではないな……
我が父ながら、呆れてしまう。
山じいは一つため息をつくと、卯の花隊長に視線を向けた。
山「卯の花隊長、頼めるか」
卯「はい、もちろんです」
伊「頼んだぜ、四番隊隊長さんよ」
親父はそう言うと、振り返り、京楽隊長の方へ近寄る。
「あ……っ」
まずいっ!!と思った時にはすでに遅く、親父に殴られた京楽隊長は床に倒れていた。
浮「京楽!!」
「親父っ!!」
京楽隊長は何も言わず、黙っていた。
伊「小僧、この際だからはっきり言っておく」
親父は京楽隊長の胸ぐらをつかんで、立ち上がらせた。
伊「自分の女ひとりも守れないで、何が隊長だ。ふざけるなよ。こんな腑抜けに、大切な娘をやれるか」
ドンッと京楽隊長を突き放すと、出口の方へと向かっていく。
伊「そんなシケたツラであいつに会うんじゃねぇぞ」
それだけ言うと、隊首室から出て行った。