第20章 崩壊【R18】
卯「これから土御門邸にお邪魔します」
「よろしくお願いします」
深く頭を下げる俺に、卯の花隊長は悲痛な面持ちで横を通り過ぎていった。
「京楽隊長の方はどうですか」
あれ以来、ほとんど会わないから、どうしているのか気になっていた。
浮竹隊長もよほど心配しているらしく、いつも以上に顔色が悪い。
浮「あいつも相当こたえているみたいだ。笑いはするが、無理やり笑っているってところだな」
「そうですか.......」
浮「今、二人を会わせるわけには行かないしな......」
「そうですね」
今の状態の璃咲に京楽隊長を会わせるのは無理だろう。一人でいても、思い出して暴れることが何度もあるみたいだし。
「しかし、弦真の件が解決していない以上、このままの状況でいるわけにはいきません」
浮「そうだな」
浮竹隊長も難しい顔をする。
浮「未だに弦真がどれほどの力を有しているのかは謎のままなわけだし」
「おそらく、まだ力を持った敵がいるはずです。そうなると、次はどんな被害がでるか.......」
三百年前の惨劇が、再び起こりうる可能性だってある。