第20章 崩壊【R18】
璃久side
目の前の光景に言葉が出なかった。
俺はまた、大切な妹を助けることができなかった。
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あれから一週間が経った。
突然現れた旅禍は、護廷十三隊と零番隊によって殲滅された。被害の割には死者は少なく、皆安堵の溜息を零した。
しかし、気になることはいくつかある。
一つは旅禍の中にNo.1~10の奴らがいなかったことだ。
No.5の奴は京楽隊長が倒したそうだが、他の場所にそれらの番号を持つ奴らは現れていない。
単純にいないのか、連れてきていなかったのか。
どちらにせよ、警戒はしなくてはならない。
「璃久」
突然呼ばれ、ハッと後ろを向くと、浮竹隊長と卯の花隊長がこちらに向かってくるのが見えた。
「浮竹隊長に卯の花隊長」
心痛な面持ちで寄ってきた二人は、俺の顔を見て、眉を下げた。
浮「璃咲の様子はどうだ?」
その言葉に思わずぎゅっと拳をにぎる。
「相変わらず……です」
浮「そうか……」
情けなさと悔しさに、握った手が震える。