第20章 崩壊【R18】
弦「そんなに暴れても外れねぇぞ」
扉が開くのと同時に、聞きたくもない声が聞こえた。
『弦真......っ』
弦「よう。目が覚めたか見に来たんだが、覚めてたようだな?」
ニヤニヤと不気味な笑いを浮かべながら近づいてくる弦真に悪寒がする。
『近寄らないで......っ』
精一杯睨めつけ、霊圧を上げるが、弦真はそれをものともせずに近寄る。
弦「その枷は霊圧封じを施してある。いくら霊圧をあげようと無駄だ」
『.......っ、なんで私を誘拐したわけ?ここでゆっくり殺す気?』
弦「まさか。そんなことしねぇーよ。俺はただお前を手に入れたかっただけだからな」
『え......?』
手に入れたかった?どういうこと?弦真は私を恨んで、殺そうとしてたんじゃないの?
何が起こっているのか理解できなくてパニックになると、弦真は仰向けで拘束されている私を上に馬乗りになった。
『ふざけないでっ!!やめてっ!!』
手足をばたつかせて必死に抵抗するが、まったく意味をなさない。弦真は可笑しそうに私を見下ろした。
弦「くくくっ......好きなだけ暴れろ。どれだけ叫んでも、ここには誰もこない。璃久だってお前の霊圧を辿ることは出来ねぇ。建物一帯に結界を張って霊圧を完全に封じたからな」
『......っ』
最悪の事態に絶望的になる。
元とはいえ、弦真も零番隊隊長を務めた死神だ。あれから三百年経った今では、どれほどの力を持っているのかは計り知れない。