第20章 崩壊【R18】
リ「惑わせ『歌魔(セイレーン)』!!」
その瞬間、リアンの周りを風が渦巻いた。
風が止むとさっきいた場所にリアンはいなかった。
リ「ここよ」
上を向くと、思わず目を見開いた。
上半身はリアンそのものだが、下は魚という、まるで人魚のような姿をしていた。
リ「驚いた?これが私の斬魄刀『歌魔』」
さっきとはうって変わり、なんの感情も移さないリアン。
リ「あんたも早く始解したら?じゃないと
──────死ぬよ?
『死の音色』」
その瞬間、どこからか美しい音色が聞こえてきた。まるで水晶のような、澄み透った歌声だ。
思わず聞き惚れてしまうその声に、だんだん頭がぼんやりとしてきた。
リ「ふふふ」
まるで何かに吸い寄せられるかのようにね勝手に動く体。
リ「あ~ぁ、つまらないの。この程度の技にかかるなんて。もう飽きちゃった」
でも、いいか。また新しいおもちゃを見つければいいだけのことだし。
リアンは刀を振り上げた。
リ「さよーなら、璃久」
そう吐き捨てると、目の前が赤く染った。
璃久side 終