第20章 崩壊【R18】
京「璃咲、まだ傷が治っていないよね?」
そう言うと、二日前に刺された傷口を指で押してきた。
『いっ……』
痛みに顔を歪め、春水の手をどかそうと、手を重ねる。
『春水……っ、やめて!!痛い……っ』
京「ほらね?まだ癒えてない」
春水は手を退かすと、崩れ落ちた私を抱きしめた。
京「こんな状態で行く気だったの?無理があるよ」
『......っ』
京「こんな状態で行こうって言うなら、監禁するよ?」
『……っ、何言って……』
京「本気だよ。もう失うのは嫌なんだ、僕......」
苦しそうな声音で私の肩にうずめた春水。
『春水……』
この人をこんなにも傷つけていた。その罪悪感と裏腹に嬉しさがこみ上げていた。
私はこの人にこんなにも愛されているんだ。
それが嬉しくて、泣きそうだった。だけど.....
『ごめん、春水。これは、私が解決しなくちゃいけないことなの。これだけは譲れない、絶対に』
誰にも譲れない。例え、璃久であろうと春水であろうと、決して。
そう訴えると、春水は顔を上げた。