第6章 ぶりっ子
『ま、なんかあったらあったで、その時考えるわ。そういうことで、今日は解・散!!』
────────────────・・・
「危ないことするなよ」
『分かってるって』
隊舎からの帰り道。元気な双子は先に邸に帰ったので、璃久と二人で帰路につく。
「大体、なんで付き合ってないって否定しなかったんだよ。否定すればそれで済んだだろうが」
呆れながら璃久はそう言う。
そんなこと言われてもねー。だって、
『あんなアバズレ、璃久に近づいてほしくなかったんだもん』
あんな、男をモノとしか思ってないような女に、大切な璃久を近づけたくないし。あげたくもないし。
私のわがままだけど。
「そんなこと考えなくていいんだよ。俺があしらえばいい話なんだから。俺はお前に傷ついて欲しくないんだよ」