第6章 ぶりっ子
照れくさそうにそっぽを向く璃久。
『ふふふ』
「なんだよ」
『お兄ちゃん、大好き!!』
腕を組み、抱きつく。
「だから、お兄ちゃんって呼ぶな。つうか、離せ」
そう言いながらも無理に離そうとはしない璃久。
昔からこういう所は変わらないんだよね。
今も昔も変わらない、冷たいふりして本当は誰よりも優しい所が大好きだ。
『大丈夫だよ。私があんな子に負けるわけがないから』
「......そうかよ」
『本性出せないのが難点だけどね』
「ふっ、本性出したらみんなひっくり返るぜ?きっと」
『どういう意味よ!!それ!』
「そのまんまだよ」
『もー!!』
「はははははっ」
明日から何が起こるかわからないけど、なんとかなるだろう。
そんな風に思っていた。