第17章 まさかの事態
いつも仕事の合間に、この煙管を使っていた。それは今でもよく覚えている。だから、絶対に間違わない。
山「そうか。して、お主はこの件、どう見ておる」
『おそらく、この煙管を置いていったのは私へのメッセージでしょう。奴は生きています』
浮「そんなわけ...っ」
『私もそう思った。でも、なんとなくだけど、彼は生きているような気がする。それに以前、彼の手下であろう男が接触してきた』
京「それは...いつ?」
春水にいつもの飄々とした様子はなく、いない弦真を憎むような目をしていた。
『虚の大群が発生した時。アレンと名乗る男が〝挨拶〟と称し、あの虚の大群を送り込んできた』
山「何故そのような重要なことを黙っていた?」
『ごめん。でも、確証がなかった。弦真はたしかにあの時、この手で殺したはず。今更そんなことを言われても到底信じる気にもなれない。だから言わなかった』