第16章 斬魄刀異聞
隊長、副隊長格が束になっても、本来の力を発揮している斬魄刀を倒すことができない。むしろ、こちらの怪我人が増えていくだけだった。
(「ちっ、一旦引いて体制を整えるかっ」)
「浮竹隊長!!」
浮「あぁっ!!京楽、一旦引くぞ!!」
京「その方が良さそうだねぇ」
何もできない自分が腹立たしくて仕方がない。
(「璃咲...っ」)
両手を握りしめる。
無論、村正の言うことなど信じてはいない。片割れの実力は自分が誰よりもよく知っている。それに、いくら斬魄刀が使えないとはいえ、〝当代最強〟と言われた彼女が簡単に死ぬことなどありえない。
しかし、霊圧すら感じることが出来ない事実に焦燥感に駆られる。