第16章 斬魄刀異聞
尸魂界最強の斬魄刀は、美しさでも尸魂界一番のようだ。
「そろそろ戻った方がいい。皆が心配するぞ」
『そうだね』
今日は結構長くここにいたし。そろそろ璃久か蝶羽あたりが心配して部屋に来るだろう。
「なんだ?」
じーっと赤を見つめていると、視線に気づいた赤が首を傾げる。
『いつも十二単着ていて疲れないのかなぁ、って思ってさ』
「疲れはしないな」
間髪入れずにそう言いきった赤。
「なんだ、突然」
『いや、何となく気になったから』
私も家の仕事でたまに着るけど、めちゃくちゃ疲れるんだよね。 赤細いからなんとなく心配になる。
「わらわは斬魄刀ぞ。そんな身動きしにくい、疲れるものを着るわけなかろう。重さは感じぬ」
『ふ~ん』
そりゃあ、そうか。斬魄刀だしね。我ながらバカなことを聞いたな。
『じゃあね』
「また来い」
『うん』
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