第16章 斬魄刀異聞
黙ったまま隣に座ると、赤流姫はこちらを一瞥し、すぐに前の景色へと視線を移す。
「............」
『............』
しばらく二人で黙って景色を見ていると、赤流姫がおもむろに口を開いた。
「近々、また厄介なことが起きそうだ」
『厄介なこと?』
厄介事と言ったら、やっぱりあの件についてだろうか?
『また虚が攻め込んでくるということ?』
「それとは関係ない。しかし、厄介だ」
『瀞霊廷内でなにかが起きるということ?』
「あぁ」
確かにそれはそれで厄介だ。未だに一部の地域では、前回の襲撃による傷跡が残っているところもあるというのに。