第16章 斬魄刀異聞
零番隊 隊首室
『............』
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日の出により、赤やオレンジなど暖色に染まった空。オレンジがかった青色の海とのコントラストが美しい空間。
その空間に一人佇む、深紅を基調とした十二単を着た女性。
『.........赤流姫』
そっと呼びかけると、ゆっくりとこちらを振り向く赤流姫。
「璃咲か」
赤流姫はそれだけを言うと、目線でこちらに来いと指示をする。
黙って赤流姫のいる舞台へと上がる。
「隣に座れ」
次にそう指示した赤流姫は、すでに金の刺繍が美しい深紅の敷物に座り、これまた美しい深紅の脇息にもたれかかっている。