第15章 つかの間の幸せ 【R18】
『そ、そう...』
女将さん、ありがとうございます、と心で礼を言っておこう。
とりあえずお茶を入れ、春水の向かいに座る。
『それで、女将さんとはどういう関係なの?』
今一番気になる事を尋ねる。
「佳苗さんは、元々京楽家に仕えていたんだよ。結婚して、ここに嫁いだからしばらく会ってなかったけどねぇ」
『そうだったんだ』
だから、あんなに楽しそうにしてたんだ。
「璃ー咲ちゃーん♪」
一人ふむふむと納得している時に、春水はいつの間にかこっちに移動していたらしく、後ろから抱きついてきた。
こいつは後ろから抱きつくのが好きなのか?
そう思ってしまうほど、春水はよく後ろから抱きしめてくる。