第15章 つかの間の幸せ 【R18】
「ふふふ、可愛らしいお嬢さんですね。坊っちゃん」
『坊っちゃん?』
え?坊っちゃんってまさか…
『春水のこと?』
隣の春水に目線を向けると、
「まったく...坊っちゃんはやめてって言ってるでしょ?佳苗さん」
「ふふふ、つい癖で」
苦笑いの春水とそれを見て楽しそうに笑う女将さん。
『えーーっと』
一体、二人はどういう関係?
「立ち話もあれですから、お部屋にご案内致しますわ」
そう言って女将さんは、仲居を呼び、私たちの荷物を持たせると、しずしずと歩き出した。
「こちらが本日お泊りいただくお部屋になります」