第15章 つかの間の幸せ 【R18】
「ようこそおいでくださいました、土御門様、京楽様」
藤が咲き誇る薄紫の上品な着物を着た女性がふんわりと微笑んで頭を下げた。
春水が予約してくれたのは、尸魂界で最も古い歴史を持つ旅館『霧屋(キリノヤ)』だった。
『霧屋』の温泉は、滑らかな肌触りが特徴で、まるで化粧水をつけた後のような美肌効果があるそうだ。
だからなのか、
「当旅館で女将をしております、綾小路と申します」
うわー、綺麗なひと。色気ムンムンだ。
これで春水より年上というのだから驚きだ。
ついついガン見してしまった。
って、じゃなくて!!
『お、お世話になります』
ペコリと頭を下げる。