第15章 つかの間の幸せ 【R18】
「ね?いいでしょ、璃咲」
『......っ』
ずるいやつ。こんな時に名前で呼ぶなんて。
『わかった...』
降参だ。
「ほんとかい!?」
『ただし、何かあったらすぐに戻ってくること。これが条件だからね!!』
「はーい」
嬉しそうにまた私をぎゅっと抱きしめる春水に、こっちもついつい微笑んでしまう。
『(やっぱり好きだなぁ…)』
長い間離れていたけど、その気持ちだけは変わらない。
今もこれからもずっと。
まぁ、
「ん?なんだい?」
『べつにー』
絶対に本人には言ってやらないけどね。
「えぇー」
『ふふふっ』
不満げな春水を無視して、盃の中にある酒を飲み干した。