第14章 復縁 【R18】
「気にしなくていいよ。そんなに遅れてないから。それに零番隊は大変そうだしねぇ」
璃咲は霊圧が高く、卒業してすぐに零番隊へと入隊を果たした強者だ。
そんな彼女はすでに副隊長を任されている。
『隊長が今日はもういいからって言ってくれて、ようやく来れたの』
「そっか、それじゃあ隊長さんのご好意を無駄にしないようにしないとね」
『うん!!』
そう笑う彼女が可愛く、愛おしかった。
まさか一週間後に永遠の別れが来るとは知らずに、呑気に笑っていた。
後に、自分を殺したくなるほど後悔するとは知らずに。
あの日の前日
その日突然呼びだされた僕は、いつものように桜の木の下で昼寝をしていた。
『春水...』
そんな消えそうな声に呼ばれて目を覚ました。
目を開けると、そこには泣きそうなのを耐えているような顔をした璃咲がいた。
「璃咲?」
いつもはちゃん付けで呼ぶのに、その時はなぜか名前で呼んでいた。