第9章 襲撃
『(ごめんね、春水)』
心のうちで謝りながら、璃咲は森の中へ入っていく。
そして少し開けたところへ出ると、フードをとった。
『いるんでしょう?さっさと出てきたら?ずっと監視してたことはわかってるからね』
ある一点に向かって叫ぶ。
「さすがは零番隊隊長、いや、土御門家次期当主。我の存在に気づいていたとは」
男はくつくつと笑いながら姿を現した。
『私になんの用?その前にあなたは誰?』
「あぁ、自己紹介が遅れました。我の名はアレン。あなた様にご挨拶をしに参りました」
『挨拶?』
「えぇ、ほんの手土産を持って」
『手土産?.........っ!!』
まさかさっきの虚は...
「気がつかれたようですね?」
男はまた面白そうに笑った。まるで滑稽だったとでも言うように。
『何が目的?一体なんのために...』
「それを教えるにはまだ教えるには早い。だが、今日の目的はあなたです。土御門璃咲」
『なに?』