第9章 襲撃
その十体もほんの数秒でいなくなった。
『(ふー、終わった終わった。よし、帰るか)』
また璃久と目線を合わせ、頷きあう。
帰ろうと瞬歩を使おうとしたその時、「ちょっと待って」と止められた。
京「君、名前は?」
『........』
京「旅禍ではなさそうだし、かといって護廷十三隊の者でもないよね?」
『あなたに答える必要がある?』
京「ないねぇ。でも気になっちゃうのが人の性でしょ?」
『........知るか』
これ以上ここにいられない。こいつは鋭いからバレてしまうかもしれない。
今はまだダメだ。もう少ししなければ。
瞬歩で距離をとる。
京「へぇ、瞬歩も速いね」
『.......』
京「無視しないでよ、おじさん悲しくて泣いちゃうよ?」
『そんなニコニコ顔で言われても説得力ないし』
ニコニコ顔と言うべきか、ニヤニヤと言うべきか。