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今 君 の 目 に 映 る 空 は 何 色 で す か ?

第2章 ✽ お 見 舞 い





「あ…私を助けて下さった方ですよね?ありがとうございます!看護婦さんから聞いています」



都桔さんは明るく振舞っていた


だが僕の手に残ったままのアノ感触無数の傷痕全てが


フラッシュバックし僕を困惑させた



『元気みたいでよかったです』



思いの外標準語はキツいな…


なんてことを考えていると



「あのっ関西の方なんですよね?気を使わずに普通に喋ってください」



無理して明るく振舞う都桔さんの姿に


胸が痛んだどうしてそんな事をするのだろうか


疑問で仕方なかったのだ…


ふと少し手に力を入れたとき


ビニール特有の音がし我に返った



『気に入るか分からへんけど花買うてきてん…どないしたらええんかな?』


「えっそんな態々ありがとうございます今カーテンあけますね」



カーテンレールを金具が滑る音がし


さっきまで二人を仕切っていた壁が排除される


一瞬俺と目が合い俯く都桔さんは可愛くて


心臓の鼓動が聞こえてしまうんじゃないかってくらい


五月蝿かった



『ごめんなぁこんなんで』



そう言って花束を差し出す



「うわぁ~すっごく綺麗で可愛い…本当にありがとうございます」


 
満面の笑みで話す都桔さんの姿を見ていると


アノ傷痕のことを忘れさせた



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