今 君 の 目 に 映 る 空 は 何 色 で す か ?
第2章 ✽ お 見 舞 い
翌日女性が運ばれて行った病院から連絡があり
今から向かう事となった。
フロントに用件と軽く挨拶を済ませ
言われた病室808号室へと向かう途中
あることに気付いた
『お見舞いやのに何も買うてへんやん』
確か売店の横にフラワーショップがあったはず…
と曖昧な記憶を頼りに向かいの店の中へと足を運ぶ
《いらっしゃいませ》
店内に響く明るく爽やかな声と裏腹に
僕の心は暗淀んでいた。
その理由は単純なもので
『花なんか買うたことあらへんしなぁ…どんなんがええんやろ』
暫く悩んだ末にピンクや白や赤などの
無難な小さな可愛い花束を購入し
再び808号室へと向かった。