今 君 の 目 に 映 る 空 は 何 色 で す か ?
第1章 ✽ 出 会 い
海と空は無駄に広くて
君と俺が居る世界の違いを思い知らされた。
俺との出逢いは灰になった後。
俺の友人に頼まれたことを果たす時だった。
僕との出逢いは海で
そこで消えかけの小さくも重い命を助けた時。
最近ダイビングが趣味の僕は
休みの日は殆ど海にいて
潜っては海中から空を眺めてた
ゆらゆらと揺れる水面という境界線を隔て
初夏の日差しは眩しくて
地上に居れば目眩がするほどで
まるで人魚を連想させた。
ふと周りを見渡すと遠くで揺れる黒い影
初めは海藻かと思った
だが異変に気付いて黒い影の元へと急ぐ
すると次第に黒い影は人の形を成した蒼白した女性だったのだ
もう無理かもしれないと思ったが
僕は小さな体で女性を抱き上げ砂浜へ向かった。