第14章 Master★【キラR18】
「今のカガリ様には助けが必要なんです。どこかで自分を支えてくれる助けが」
「……」
カガリ様のそばにはアレックス、アスラン様がついてるけど、どうやら最近何かあったみたいで。
そのことがカガリ様の心労に拍車をかけてる気がする。
そうでなきゃ、キラ様を会合に招待するわけないもの。
「だから是非、キラ様に出席して頂きたいのです」
「……そう」
また手紙に視線を落として、今度は無表情な顔。
無表情というか、考え事をしているのか、キラ様は黙り込んでしまった。
(やっぱり来て下さらないのかな)
無論、私はキラ様に来て頂きたい。
苦手なのは充分承知だけど、来て欲しい。
ここに二人きりで、キラ様のお世話をするのも好きだけど、出きればキラ様にもっと外の空気に触れてほしい。
(ここに来てからは、日に日にキラ様は無口になっていくだけだもの)
だから、なんとしてでもキラ様を連れ出したい。
「はさ……」
「……はいっ!?」
一人の世界に浸って考え事をしていたとこに響いたキラ様の声。
急に現実に引き戻されたようで、思わず情けない声が出てしまった。
(かっこ悪い。もっとシャキっとした返事がしたかったのに)
せっかくキラ様に名前を呼んで頂けたのに、当の私の返事はメイドとは思えないほどの慌てぶり。
『メイドは常に冷静で、軽やかな身のこなしを』
そんなことを前にメイド長が言ってたけど。
今の私にはほど遠い言葉だ。
『最低』という言葉が浮かぶと同時に心の中で溜息をつくが、今はそれどころじゃない。
肝心のキラ様の話を気か聞かなくては。
「キラ様、どうされました?」
「は……も淋しいの?」
「え……?」
首を傾げて私を見つめるキラ様。
今のお言葉がいまいち理解出来ないのですが、何を言いました?
「も僕に来てほしいのかなって…」
そういう意味でしたか。
それなら私も理解出切るのですが……ん?
(なんですと!?)
「が『来てほしい』って言うなら行く。言わないなら…僕は行かないよ?」
今後は不敵に笑うキラ様。
笑顔でこちらを見てくださるのは嬉しいのですが、いつもと雰囲気が違うと思おうのは気のせいでしょうか。