第14章 Master★【キラR18】
「アスハ家主催の会合?」
私が差し出した手紙を見て、キラ様は訝しげな目で私と手紙を交互に見やった。
それもそのはず…。
キラ様はそういった場には一切出ない。
カガリ様もそのことを充分に承知の上で、今まではキラ様を誘わなかったものの…今回だけは違った。
「その、五大氏族様とその関係者様達とで新年を祝おうと…カガリ様が……」
『だからどうして僕が?』とでも言いたそうな目で見るキラ様はもの凄く恐い。
普段のキラ様からは想像もつかないほどの険しい表情に怯えてしまう反面、久々に自分を正面から見てくださっていることに嬉しさを感じてしまう。
(本当は笑顔で見つめられたいのですが)
なんて思っても、そんな状況じゃない。
今にも襲いかかってきそうな雰囲気なのだ。
だからといって、私も負けてはいられない。
「カガリ様はその、淋しいんだと思います……」
「淋しい……?カガリが?」
さらに顔が険しくなるキラ様。
そんなに眉間にしわ寄せなくてもいいとは思うのですが。
「カガリ様は、あのお年でオーブの代表になられた方です。ですがアスハ家以外の氏長達は皆、年齢は遥かに高く、思慮も深い方々です。そのことでカガリ様との衝突もしばしばあります。ですからその……」
最後の最後まで言いかけておきながら、最後になってお茶を濁してしまった。
メイドの立場にある自分がここまで喋っていいのかと考えてしまい、どうにも最後の言葉が出てこない。
(でも相手はキラ様だし)
ここまで言っておいて、言わないわけにはいかないだろう。
キラ様も、途中で黙り込んでしまった私を心なしか、心配そうな顔で見つめてる、ような気がする。