第2章 誓いのキス【種Dアスラン】
「私と二人でいるところを見られたら、また婚約者のラクス様に何か言われますよ?」
「だからっ!違う!!」
普段、穏やかなアスランが怒鳴ってもなんとも思わない。
「違うんですか?昨夜は同じお部屋で過ごされたのに?」
それほど私は怒ってるんだから!!
「それでも違うと?」
「…………」
お願い。
何か言い訳してよ。
「私は別に、気にしていませんよ」
言い訳してくれないと、私が一方的にワガママ言ってスネてるみたいだ。
「婚約の件は、形だけのものだとしても……ハッキリさせない俺が悪いよな」
ケンカすると、いつもこう。
私が一方的に怒鳴って、アスランは冷静でことを荒立てないようにする。
「けど、これだけはハッキリさせておく……」
そして、次はこう。
「この先、たとえ俺に何かあっても、と離れることになっても、俺にはだけだ」
子供みたいにワガママばっか言う私に、甘い言葉をくれるアスラン。
ずるいよ。
そんなこと言われたら、もう。