第2章 誓いのキス【種Dアスラン】
すっごくムカツク!
アスランは私の彼氏なのにっ!!
コトの始まりは昨夜のことだった。
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「アスラン!!私だけど……いないの?」
ディオキアに着いた夜、やアスラン達パイロット はちょっと高そうなホテルで一夜を過ごすことになった。
「おかしいな、部屋に行くって言ってたのに……」
何度ドアをノックしてもアスランは出てこない。
「アスラーン?隊長??アスランさん!!」
すると、何度目のノックだったろうか。
やっとドアが開いたかと思って覗き込んだ。
「えっ!ラクス様!?」
「あっらぁ~?アスランの部下の方?」
出てきたのはアスランではなく、ラクス・クラインだった。
「ぁ、あの……」
想定外すぎて、言葉が出てこない
「部下の方?部下が夜に上官の部屋にくるのも仕事なのかしら?」
どうしよう。
何か言わなきゃ。
「せっかく来たのにごめんなさい?アスランは疲れて眠っているの。部下なら、そういうことも配慮するものでなくて?」
「は、はい……申し訳ありません」
なんで私、謝ってるんだろう。
そもそも、なんでラクス・クラインがアスランの部屋にいるわけ?
「それじゃ、ごきげんよう!」
勝ち誇った笑みを浮かべながら、ラクス・クラインはバタンとドアを閉めてしまった。
「…………」
あまりの衝撃に、ドアの前に立ち尽くすしかなかった。
そして、今に至る。
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「!!確かにミ……ラクスのことは悪かったけど、本当に何もなかったんだ!!」
そう言ってアスランは私の腕を掴むが、今回のことは許せない。
「放してっ!!」
最近は彼と何も、ナニもしてないから。
昨夜はせっかくのチャンスだったのに。