第12章 独占欲【黒シンR18】
「シン?それにもこんなとこで何をやっている」
足音の主はレイだった。
シンは先程までの行為を悟られないよう、平静を装う。
「今、二人でさっきの戦闘のこと話してたんだ。レイは?」
「俺か次はいつ戦闘が始まるかわからないからな、射撃訓練にいくところだ。第1訓練場は人が多いから好かない」
そう言うとレイは足早に第2訓練場へと向かう。
レイも先程の戦闘が堪えたのだろう。
目の前で友軍機のニーラゴンゴ゙が撃沈されたのだから。
レイが第2訓練場へと入っていくのを見届けると、シンはに向き直り、の頬に手を添える。
「邪魔が入っちゃったね、どうしたい?」
「私は、別に……」
はシンから目を逸らす。
レイが来たおかげで助かった。
けれど。
「そう、そんな風には見えなかったんだけどな……嫌なら仕方ないな」
シンはの頬から手を放し、淋しげに笑う。
「もし、にその気があるなら、俺は部屋にいるから」
は絶対来る。
シンはそう確信しながら、をその場に残して去っていった。
「そんな……」
顔を紅潮させ、息を乱したままのは、困惑しながら、去っていくシンの背中を見ていた。