第7章 Black★Master【微黒アスラン×メイドR18】
「……見つかりません」
ホール内をくまなく探したけど、シーゲル様は見当たりません。
どうしましょう。
このままじゃ、アスラン様が。
もう、藁にもすがりつきたい気分です。
「?どうなさいましたの?」
「ラクス様!!」
よかった。
ラクス様なら、何とかしてくれます。
「先程、アスラン様にお会いしたのですが具合が良くないとのことで」
「まぁ、それはたいへんですわ。それでしたら、今夜はアスランに客間にお泊めするように私が父にお伝えしますわ。もちろんアスランのお父様にも」
さすがラクス様。
私がすぐ思いつかなかったことがすぐ思いつくなんて。
「それから、アスランは大事なお客様ですので、客間は屋敷の最南端を使ってくださいね。それとには、今夜一日アスランのお世話をお願いしますわ」
またもラクス様直々のお申し付け。
これにも全力で取り組まないとですね。
「はい、かしこまりました」
こうして、ラクス様に客間使用のお許しを貰えたからよかったです。
「…………」
ですがこの時。
ラクス様が、いつもと笑い方が違って見えたような気がしました。
気のせい、でしょうか。
何となく違和感を感じながらも、今はラクス様の御命令とアスラン様が優先です。
そう自分に言い聞かせ、アスラン様の元へと急いで戻って行った。