第7章 Black★Master【微黒アスラン×メイドR18】
「君はこの屋敷の……クライン家に仕えてる子だよね?」
「はい。普段はラクス様付きとしてお仕えしていますと申します」
「知ってる。ラクスに聞いた」
それに、ちょっと意外です。
まさかメイドごときの私のこと、覚えていて下さったとは思いませんでした。
そう思ったら、どうしてか胸がドキドキしてしまいました。
「アスラン様は、今夜ラクス様とはお会いにならないのですか?」
以前お屋敷にいらっしゃた来た時、長い時間ラクス様とお話してました。
お二人が並んで立つと、とてもお似合いです。
その姿を私はずっと見てましたから。
「あぁ、彼女とはあとで話すよ。今夜は忙しいそうだからね…」
「そうですね。ラクス様達はお客様への挨拶でお忙しいでしょうから」
な、なぜでしょう。
今、ホッとした気分になってしまいました。
この気持ちは、何?
なんだか変な気分が一瞬しましたが、それをかき消すようにアスラン様が私に微笑みかけてくれました。
「それじゃあ、悪いけど」
「……?」
「やっぱり具合が悪いみたいだ。どこか落ち着けるところに案内してくれないか?」
「え!?」
やっぱり具合が悪かったのですね。。
ですが、落ち着けるとこ、とは。
どこでしょう。
「…………」
急な言葉に思わず頭が真っ白になるけど、なんとかしようと必死に頭を働かせなくてはなりません。
「それでしたら、客間にご案内致します!!」
「ありがとう」
お屋敷にはたくさん客間があるし、何かあったときのためにお部屋はいつも準備してますからね。
そこに案内すればいいはずです。
「それでは、シーゲル様にお許しを貰って参ります!!」
とにかく急がなくてはなりません。
アスラン様に一言断ってから、急いでシーゲル様を探しに行った。