第1章 はたけサクモ先生の葬式
「…………何歳?」
やっと口を開いたと思えば、人の年齢を気にするとは、まあ何て奴だ。
私はこれからお姉さんになるんだ、と自分に言い聞かせ、彼の質問に答えた。
「私は、今年で十七歳になるよ。カカシ君より十歳年上。だから何でも聞いてね。わかる範囲で教えるから。」
「十七歳⁈⁈えぇぇーーーー?!……年齢上過ぎでしょ………。オレの事、カカシって呼んで。"君"はいらない。じゃ、ご飯お願い。」
何故か十歳も年上だとわかった瞬間、顔を顰めて叫びだしたカカシ君。年上はタイプでは無いらしい。
だけど何でもいい、彼が今、ほんの少し
元気が湧いたように見えたのだから。
「うん、了解!これから毎日ご飯を持って行くね、カカシ君。」
「カ、カ、シ!!カカシって呼んでよ、花奏さん。」
「は、はい!!カカシ…ね、カカシ…カカシ。いや、なーんかついカカシ君って呼んじゃうんだけど、カカシ君はイヤ?カカシ君で良くない?」
「カカシがいい。"君"とかつけられたら、保護者みたいで嫌でしょ?人に…からかわれる。」
「あ、私の事は、これからお姉さんって思ってもらっていいから。なんならお姉さんって呼んじゃってもいいし。ね?カカシ君。」
ヨシヨシと頭を撫で、私は弟が出来たように喜びながら笑うが、カカシ君は嫌そうに顔を歪め、頬を赤く染めている。
「お姉さんじゃないよ……。花奏さんをそんな風に見れないよ。」
ニコニコして私が頭を撫でても、まったく抵抗しないでされるがままのカカシ君。
少し大人びた雰囲気の男の子は、接し方の警告を再度確認する。
「ねー、絶対!カカシ君って、外で呼ばないでよ?無視するからね?わかった?」
「ふふふ、はーい。これから宜しくね。カ、カ、シ!」
私の言葉に反応するように、照れ恥ずかしがるカカシ君を、わたしはニヤニヤと口元を緩め面白そうに見ていた。