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イケメン戦国 ~天下人の妹になる気はないか~

第10章 ゆーかい


数分後。
天主に集められた武将達。しかし...

「雪月?昨夜会ったっきりだな」
「先日は仕事が忙しく、お会いしてません」
「...俺のこと警戒してるのに、会いに来ると思います?」
「家康と同じく」

誰も雪月のことを見てないという。

「じゃぁ何処に...」
「城の中は探したのか?」
「一通りは見たが、居なかったな」
「...まさか、誘拐されたか」
「「「「「?!」」」」」

光秀の言葉に唖然となる一同。

「光秀、何を言ってんだ?!」
「城内をどれだけ探しても居ないとなると、誘拐されたと考えるのも手では?」
「仮に誘拐だとして、目的は何だ?身代金と称した誰かの首か?」
「.........貴様ら、」

ずっと黙っていた信長が口を開いた。

「雪月を探せ。もし、何処ぞの馬の骨の手に落ちていれば、その骨も捕らえろ」
「「「「「御意」」」」」

こうして、雪月捜索隊が結成された。
















ところで、雪月は一体何処へ行ったのか?
それはさかのぼること二時間ほど前。
まだ雪月が眠っているときのことだった。

「ここだな?」
「あぁ、間違いねぇ」

雪月の部屋の前には男が二人。

「まさか起きてはいないだろうな?」
「毎朝豊臣秀吉が起こしに来るまで寝ているらしい。今なら大丈夫だろう」
「よし、入るぞ」

そーっと襖を開けて中へと入る二人。
まだ雪月は寝息をたてて眠っている。

「寝てるな」
「あぁ。だが、途中で起きられてはまずい。それにこいつ、摩訶不思議な術を使うらしい」
「その術とやらを使われれば、俺達は一貫の終わりだ」
「さっさと終わらせようぜ」

男達はそーっと雪月の枕元へ忍び寄り、手にした布切れで素早く雪月の鼻と口をふさいだ。

「...?!」

誰かの気配を感じ目を覚ました雪月だったが、大嫌いな薬品の匂いが一瞬したかと思うと、またすぐ眠りに落ちてしまった。

「眠ったな」
「そのようだな」
「さっさとずらかるぞ」

男達は枕元に置いてあった雪月の着物や帯を乱暴に布団の中へ放り込み、雪月の身体を縛り上げると持っていた袋の中に押込み、そそくさと部屋を後にした。

秀吉がやって来たのは、そのわずか数分後のことだった。
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