第5章 ぽけもん
「ポケモンには18種類のタイプ、属性があります。このピカチュウは電気、雷の属性で、先程見せた技は電磁波という雷属性の技で相手を麻痺状態にする効果があります」
「つまり、その雷出したりっていうぽけもんの能力を人間に植え付けてる、と?」
「そういうことです。ですが...」
佐助は目を伏せた。(痺れはどうした?なんてツッコミは無しで!)
「もちろん、人間とポケモンは違う。ポケモンの能力は未知数で尚且つ強大。そんな力を人間に植え付けても、逆に人間のほうがもたない...耐えきれ無かった者は......」
「皆、亡くなったそうです」
しん...と静まり返る広間。
「仮に成功しても、能力を制御出来ずに暴走させた挙げ句に殺される者、脱走しようとして殺される者もいたそうです」
「...ならば、雪月は」
「はい...恐らく、彼女も実験体の一人だったかと。俺と出会った際にも、研究者らしき人間達に追われていましたから...雪月ちゃんの容姿を見る限り、あの子はロコンというポケモンの能力が備わっているかと思われます」
「ろこん?」
「これです」
佐助は懐から一冊の本を取り出し、あるページを見せた。そこには6本の尻尾を持つ赤と白の二匹の子狐の絵が。
「ロコンには二種類の容姿があり、こちらの赤いロコンは炎の、白いロコンは氷の属性です。こっちの氷属性のロコンの能力が、雪月ちゃんにはあるか、と」
「確かに、雪月様と毛や目の色が同じですね」
佐助の説明に、本能寺にいた面子は何処と無く察した。
まぁ、あんなにインパクト強いことやられたら、ねぇ...