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イケメン戦国 ~天下人の妹になる気はないか~

第4章 きず


政宗と秀吉に連れられて退出する雪月。
行きと同じように政宗に抱っこされている。

「まさか名前を与えるだけじゃなく妹にするとは、流石信長様」
「...だが、こいつが敵の刺客ではないという決定的な証拠もない」
「おいおい秀吉、お前まだ疑ってるのか?」
「いくら子どもだからと言っても、御館様に危害を加えるようであれば容赦なく斬る」
「......っ」

秀吉のその言葉と鋭い目線に雪月は怯えたように顔を伏せてしまった。

「だから、あんまり怯えさせんなって。ほら雪月、金平糖食うか?」
「こん...?」
「さっき食わせただろ?」

政宗が取り出したのは先程の砂糖菓子。

「おい政宗、あんまり食べさせんなよ。虫歯になるからな」
「...秀吉、お前いつもの世話焼きが発動してるぞ」
「ぁ、の...」

雪月がか細い声をあげた。

「たべて、いーの...?」
「何言ってんだ、お前のだぞ」
「いや、それは信長様n「秀吉うるさい」モガッ」

片手で器用に秀吉の口を塞ぐ政宗。

「でも...」
「何だ?」













「こんなに、たくさん、たべ、て...たたか、ない...?」











「「は?」」

変な声をあげる政宗と秀吉。
雪月は『沢山』と言ってるが、量としてはほんの2、3粒程度である。

「...お前、今まで何食ってたんだ?」
「...きのみ」
「...だけか?」
「あい...」
「「...」」

二人は言葉を失った。

「...食い過ぎで叩かれるとか、きのみしか食わせないって、お前の親はなんつー育て方してんだ」
「...おや?...ってなに?」
「「は?」」

またまた変な声が出た政宗と秀吉。

「お前...親、居ないのか?」
「わかん、ない」
「育ててくれた者は居ないのか?」
「いた、けど...あのひとたち、『おや』、なの?」
「いや、そりゃわかんねぇけど...その『あの人達』ってどんな奴らだ?」
「...いつも、しろいふく、きてて、まいにち、いたいこと、してきた」
「『痛いこと』?」
「たた、いたり、けったり...たくさん、はり、さし、たり...」
「?!政宗、ちょっと雪月抑えとけ」
「おう」
「?」
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