第17章 あいたい
風が気持ちいい。
カーテンが揺れるのが見える。
薬品の匂いが鼻をかすめて、保健室だということに気付く。
カーテン越しからはわからないけど、運んでくれた人と保健室の先生が話してるようだ。
「珍しい血液型で手こずったよ、間に合ってよかった」
「……アイツは、なんで…?」
「女の子にデリケートな質問するんじゃないよ!
これだから顔だけいい男は……」
「……」
頭が働いてない。
眠気とダルさとお腹の痛みでぐるぐるする。
点滴も下がってるようだ。
他に薬を飲むのは無理があるかもしれない。
寝返りしてみたくても、管が邪魔だ。
諦めてそのままでいようとまた目を閉じる。
この前、先生に遠回しに迷惑だと言われた。
なるべく、会わないように、他の先生やクラスの人に聞いたりしてる。
皆いい人だけど、私はどこか、心を開くことが出来ないまま。
きっと、心のどこかで、私を怖がっている気がして。
そのくらい、この前の夢はトラウマだった。