第15章 ちょっとこわい
軋むベッドの音が恥ずかしくて、どうにも顔を合わせられなかった。
「ん、ふ、ぁっ…」
動きに合わせてどうしても漏れてしまう自分の声すら反応してしまいそう。
もっと可愛い私でいたかった、とそんな風に反省する。
「すきっ、すきです…」
いつものようにその真っ黒な瞳に言う。
返事のかわりのキスは、お決まりになりつつある。
私が、一回死んでしまった身だから返事をしてもらえないのだろうか。
それとも、やっぱり、卒業するまでお預けなんだろうか。
それとも、なんとも思ってないのかな?
少しだけ寂しいけれど、今こうしてくれることだけで、凄く満たされている気がする。
甘いケーキの味のキスは、初めての時を思い出す。
日が経てば経つほど、好きになる。
それがときどき、ちょっとこわい。