第13章 お帰り
呼吸、脈、心音を確認し、らしからぬ安堵に気分が落ち着くどころか高揚していく。
その時に漸く自分自身に正直になれた気がした。
この女が愛しいと。
後の警察の調査で、あの日、俺がを買うように仕組まれていたということが判明した。
割と賭けだった気がするが。
要は処分と聞いて、買わないヒーローはいないだろうという算段らしい。
元より、その日、明らかに外部の者は自分のみ。
そして、雄英を内部から潰す圧倒的なチャンスだと。
そのくらい、の個性は強いのだと。
結局、自白剤を用いても、敵からはについての情報を得ることが出来ず、彼女は現在、政府の特別管理下に置かれることとなってしまった。