第12章 内緒にしておこう
痛々しい首の縫い目に癖のように指を這わす。
繋がりながら、うっすら汗ばむ肌がどこか色香を漂わせ、自分らしからぬ衝動に火を灯した。
「はぁ…っ、ぁ…」
相変わらず反応の良すぎる身体が、既に限界を迎えそうなのを不思議に思う。
楔をなるべくゆっくりと打ちながら、喘ぎ悶えるのを愉しんだ。
ナカのざらりとした壁が一際狭くなる。
もうすぐだと訴えかけてくる。
仰け反った白い喉の縫い目に歯をたて、余計な快楽を植え付ける。
「んやぁあっ!」
「嘘つけ」
「せんせ、いっしょに…っ」
「死ぬぞ?」
また無茶を言うと、震える腰に笑いかける。
「はぁあっ、は、ぁっ、が、がまんする、からぁっ」
「既に出来てないぞ」
「あ、あっ、ごめんな、さ、ゆるして…」
「無理すんな」
ほろほろと溢れる涙を唇で拭い、暑そうに汗にへばりついた髪をすくってやる。
その手を頬に寄せられ、それは幸せそうに微笑んだ。
髭が擽ったかっただろうか。
「せんせぇ、好き…」
いつもの、軽い告白。
最初は、ムードに流されているだけかと思ったがどうやら本気らしい。
ここまでさせておいて、更に追い討ちをかける。
「悪い子だ」
職を失ったら、どう責任を取ってもらおう。
残念ながら、また先に意識を飛ばしたのはだった。
少し遅れて避妊具越しに出したことは、今しばらく内緒にしておこう。
もうすぐ夜が明ける。
帰るのはギリギリでもいい。
孤独なその生命体の横に、少しでも長く