第10章 からかってるんですか
「わ…私が年下だから、からかってるんですか?」
感じ悪い、最悪。
そんなことが言いたかったわけじゃないのに。
「…そうだ」
「っ!」
私は、私は…、これから、成長出来るかすらわからなくて、不安なのに。
「ひどい…」
「ひどくねえ。
この程度で反応してるようじゃまだまだだ」
「私、大人になれるか、わからないのに…」
「そうだな」
「ねえ、からかってますよね!?」
あまりにも適当な返事に、その後ろにいる張本人を睨みつける。
先生は一瞬笑って、私をベッドに投げ捨てた。
本当に、その表現がよく似合う程、綺麗に私は投げられた。
「!!?」
「どうする、食われるか、やめとくか」
「…!」
ひどい、私が、断れるわけなんて、ないのに。
「っ、わかってて、聞いてます…」
「そうだな」
その細い腰に、腕を回す。
私の質問の答えがわかることはなかったけれど、先生がいつも遠慮してくれてるのはわかった。
それも、優しさだったり、思いやりだったりしているのかもしれない。
でも、相変わらず、私が好きだと重すぎる想いをひたすら口にするだけで、相変わらずその返事は聞けなかった。
翌日、保健室の先生に凄く怒られたのは、言うまでもない。