第45章 【轟編】心当たり
最悪だ。
と思ったのは朝から致し方なく任された雪かきの当番で、たまたま朝帰りの片想いの少女を見てしまったからだった。
相手付きで。
「教師の癖に生徒と朝帰り?」
嫌みを言えば、
「実家に帰っただけだ」
と返される。
なんでわざわざこの時間に帰る必要があるんだ?という突っ込みも出来たが、どうせかわされる。
「だろ?」
と横の彼女に振れば、少女は全力で首を縦にふる。
(わかりやす……)
それでも、惚れた弱味。
その子の日常を奪うわけにもいかず、諦めて受け入れるしかなかった。
ただ思ったのは、ストールの下に隠れてばっちり担任は彼女の身体を支えていた。
果たして性の六時間、どんな過ごし方をしたのか。
聞きたくもない。
「」
「…はい?」
「昨日プレゼント交換を一部でやってな、玄関に八百万のが掛かってるから…」
「あ、ありがとう!」
「いや、礼ならアイツに」
は頷くと少し笑ってから手をふった。
虚しくも、こちらは小さなパーティーをして一晩終えてしまった。
後半のゲーム大会までいたのは僅かな人数だろう。
談話室の散らかりが気になるが、あの様子を見ると目を瞑ってくれるだろう。
丁度出入り口の雪は終わった。
後ろから二人に付いていくことにした。