第44章 【番外編】薫
消毒されたシーツのにおいがどこか落ち着かない。
間接照明しかない部屋は薄暗く、外の夜景が随分綺麗に見えた。
頑張って重ね着してお洒落に見せたかった服も、ヒールの少し高い靴も、床に投げられて、大きなベッドに倒される。
雰囲気に酔っているせいか、身体の奥からじゅくじゅくと疼く。
お腹の奥がむずむずとする。
吐息が熱い。
「せ、せんせ……」
「今日は禁止だろ?」
「あ、だっ、て、いま、ふたりきり…」
私の言葉を遮るように口付けられ、ベッドに縫い付けられるように捕らわれた。
切ないくらいにお腹の下がきゅんとする。
先生はまたさっきのハンドクリームを取り出すと、薄くのばして、私の胸に触れる。
勝手に固くなってしまう先端にも、丁寧に指が動く。
ぬるぬるとした感触が馴染むと、滑りよく私の弱いところを刺激され、意に反して腰が浮いてしまった。
「やぁぁ…」
恥ずかしさから抵抗しようにも、力の入らない身体が動かない。
「いや…、あっ、ん…っ」
吐息と一緒に漏れる声がいつもより恥ずかしくて、手で口を覆う。
それでも緩やかな刺激からは逃れられない。
お腹の奥が熱くなって、ひくんと反応する。
「いや!いやぁっ…!!」
「どう嫌なんだ?」
「…っ、だって、そんな……!!!」
押し潰される感覚に耐えきれず、そのまま電流が流れた。