第36章 【番外編】恋人ごっこ4
先生に教えてもらった警備の手薄い抜け道を行って、教員寮にこっそりと裏口から入る。
「先生!ご飯できました!」
「コンロくらいならあんのに」
「だって、使ってないじゃないですか…」
テーブルもないので、デスクに並べていく。
なんとか冷めずに持ってこれたようだ。
先生は一言も話さないまま、上品な手付きとお箸使いで全てを食べて、最後に冷蔵庫に入れていた小さな缶ビールを飲み干して、一瞬だけ笑顔を見せる。
「ご馳走さま」
(わっ、なんだろ、これ、これ…!)
なんと言っていいかわからないくらい顔がにやにやしちゃいそうなのを抑えて、先生を見上げる。
ぎゅっと抱きつきながら、
「美味しかったですか?大丈夫ですか?
塩っぽくなかったですか!?」
と矢継ぎ早に聞いてしまう。
先生は、ふっと息を溢しながら、
「…美味かった」
と一言だけ感想をくれた。
「…っ!!!」
顔と身体が沸騰しそうなくらい熱くなって、声が震える。
「先生、心臓痛いの…。
死んじゃいそう……っ!」
「死なねえよ」
まだ気持ちがそのままなのに、唇を深く奪われる。
お腹の奥がじんわり熱くて、目を細めながらその深い交わりを受け入れた。
指先と爪先まで電流が流れて、つい力がはいってしまう。
「そんだけでヨガんな」
汗ばんだ前髪を柔らかく触られて、きゅっと目を瞑った。
「…っ」
横抱きにされ、片足を腰にかけるように促される。
とろとろと既に蜜を流し続けている真ん中に指が這わされ、悪い大人の笑い声が聞こえた。
「せ、せん、ダメ…っ」